嬢子(をとめ)の 床の辺に 我が置きし 剣の大刀 その大刀はや
力ー美夜受媛

美夜受媛(ミヤズヒメ)ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

日本神話に登場する尾張国造の乎止与命(オトヨ)の娘。

『日本書紀』では宮簀媛、『古事記』では美夜受比売。

父の乎止与命は天火明命(アメノホアカリ)の子孫。

 

日本武尊(ヤマトタケル)の東征の帰路、尾張滞在の際に娶られる。

日本武尊が能褒野で亡くなると、日本武尊より預けられた天叢雲剣

(草薙の剣、三種の神器の一)を奉斎鎮守するため熱田神宮を建立した。

『日本書紀』によれば、日本武尊は東征の帰途、尾張へ入り

尾張氏の娘宮簀媛を娶って滞在した。

やがて近江国の伊吹山に 荒ぶる神がいると聞いて、

天叢雲剣を媛の家に残し素手で退治に出かけた。

しかし、山道で神が大蛇に化して出現したのを無視したところ、

神は氷を降らせて尊 を迷わした。このため尊は失神し、

山下の泉でようやく正気を取り戻したが、病の身となっていた。

そして尊は尾張へ戻るが、媛の家には寄らず、そのまま伊勢 に向かったという。

 

 

 

『古事記』にも同様の話を記載するが、美夜受比売を尾張国造の祖とし、

倭建命は比売の月の障りをおして交わったという。

またその結婚は東国へ向かう途中に尾張を通った時に約束がしてあったとする。

 

『尾張国風土記』逸文の熱田社由来および『熱田大神宮縁起』には、

日本武尊が尾張連らの遠祖である宮酢媛命を娶って宿泊した時、

剣が神々しく光り輝いたため、宮酢媛命にその剣を奉斎することを命じ、

そこで建てたのが熱田神宮であるとされる。

 

 

 

タロットカード「力」ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

アーサー・エドワード・ウェイトのタロット図解における解説では

「力・勇気・寛大・名誉」を意味するとされる。

 

上記の通り、ウェイトがカードの数字を「正義」と入れ替えるという

大胆な変更を行ったカードであり、

今なお「正義」と共にタロット研究者のあいだで

激論を展開させている1枚である。

全体の構図としては、女性がライオンの口を押さえ(ロマンス語諸語で、

「力」は女性名詞である)、女性の頭上には1番の「魔術師」と同じく

「∞」のマーク(マルセイユ版では「∞」を象った帽子)が

描かれている等、両版とも大きな違いは無い。

ウェイト版の数列は、黄金の夜明け団の教義(研究)によって

「タロットカード」をカバラ思想や生命の樹、

また西洋占星術との関連が見出されたことによる解釈から

「8」番に置かれている。

 

マルセイユ版の数列では1〜9までの精神世界の領域が

10番の「運命の輪」によって一度区切られ、11〜20の現実世界の領域に

入ったことを表している。

故に1と11にそれぞれ始まりにして未知の可能性を暗示する∞が一つずつ、

21番の「世界」にはその2つの世界の統合を表すように2つの∞が描かれている。

 

カードに描かれる人物は「人間の女性」である。

特にマルセイユ版に描かれる女性は、玉座に鎮座する女神や神的イメージでないことが、
女性の服装が中世ヨーロッパの一般的な庶民の衣服であることに示されている。
しかし、この女性がただ者でないことは頭部の帽子(∞)に表されている。

同様の帽子をかぶる「魔術師(奇術師)」が、両手にコインやステッキを

持っているのに対し、この女性は素手である。

つまり「魔術師」が備えていた奇跡的な“力”は、「力」ではステッキ等の

道具を用いるのではなくこの女性の「手」に備えられていることを表し、

「魔術師」のそれに比べ、より人間的、直接的であることを示している。

 

また、カードに描かれるライオンは「本能」(特に人間の動物的本能)と

結びつけて解釈される。「愚者」のカードにも犬が登場したが、

この「力」ではより凶暴なライオンとして登場し

無視できない存在として描かれている。

このことは象徴学的に、精神における人間的な本性が

自身の動物的な本性と直面することが出来るようになったことを示し、

同時に心理学的に、無意識として手なずけられない状態にある力を

自我意識が直接取り扱うことは出来ず、二つの側面を関係づけるのは

女性による仲介が必要であることを表している。

ちなみに女性がライオンの“口”に手を向けていることに関しては、

様々な説があり統一が成されていない。口を開けようとしている、

閉じようとしている、或いはその両方であり

見る者の状況に応じてどちらとも採れるように描かれている、

単純にライオンの肝(或いは“何か”)を取り出し

エリクサーの材料にしようとしている等、多岐にわたる。

 

 

《正位置の意味》ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

力量の大きさ、強固な意志、不撓不屈、理性、自制、

実行力、知恵、勇気、冷静、持久戦。

 

《逆位置の意味》ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

甘え、引っ込み思案、無気力、人任せ、

優柔不断、権勢を振るう。

 

 

Wikipediaより

考えようによってはすごく皮肉な画面になるのかもしれません。

白い猪は伊吹山の神の象徴のつもりで描きました。

武力によって手なずけることが出来なかった神獣(神そのもの)を静かに従えたのは

媛だった…なんていう見方もありかなあ、と想像してしまったもので。

 

そして多分、武力や暴力に頼らない懐柔というか、理解というか、歩み寄りの方が

はるかに強くしなやかな精神力を必要とするのだと思います。

ものすごく忍耐力と粘り強さが必要ですし、時間をかけることも不可欠ですし、

本当に芯の強さを求められる行程だと思うのですが…。

なんとなく、そういうことも女性の能力なら可能な気がします。

 

私自身はすぐにカッと頭に血が上るタイプなので、手が出てしまう可能性が

しばしばあるなあ…、と反省しつつ描いておりました (^_^;)

(殴られたら殴り返すと思うし…)

でも多分、基本的に人間の間にある多くの問題は

武力や暴力では解決しないと思います。

…そういうことを考えると、この「力」というカードが示す深い意味に

ちょっとクラクラしてしまいました。

まあ、タロットカード全部がそうなんですが。

 

 

 

 

 

 

実はいままでの体験から、私は伊吹山の神さまには好かれていないと思います。

(伊吹山でロクな目に遭ったことがない、という過去がいろいろと…)

ゆえにこちらにもあんまり愛がなくて、(伊吹山そのものは好きなんですが)

白猪はかなり嫌々描いていた、というのが真相です (ーー;)

神の姿を蛇だとする説もあるんですが、大蛇だとあんまり猛獣という

イメージではないので、やっぱり猪の方がいいかなあ、と…。

難しかったです。神さまらしい威厳というか、神々しさがなかったら

それは私の腕がひたすら未熟なせいです。すみません m(_ _)m

 

背景の花はミヤマキンポウゲのつもりです。

面倒だけど、動物を描くよりもやっぱり花を描く方が楽しいわ、と実感。

 

 

 

…というわけで、ヤマトタケルを巡る女性たち3人が続きました。

(タケルはやっぱりあれかなあ…、と只今考え中ですが…)

 

 

 

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