四季彩Gallery

天(あま)の原 ふり放け見れば霞立つ 雲路(くもじ)まどひて行方知らずも 住み馴れし 空にいつしか行く雲の うらやましき気色かな 迦陵頻伽(かりょうびんが)の馴れ馴れし 迦陵頻伽の馴れ馴れし 声今さらにはつかなる 雁(かりがね)の帰り行く 天路(あまじ)を聞けばなつかしや 千鳥鷗(ちどりかもめ)の沖つ波 行くか帰るか春風の 空に吹くまでなつかしや
「いや この衣を返しなば 舞曲をなさでそのままに 天にや上がり給ふべき」 「いや 疑ひは人間にあり、天に偽りなきものを」
羽衣
東遊(あずまあそび)の 舞の曲 あるいは 天つ御空(みそら)の緑の衣 または春立つ 霞の衣 色香も妙なり 乙女の裳裾 左右左(さうさ)左右颯爽の 花をかざしの天の羽袖 なびくも返すも 舞の袖

いやはや、お能をモチーフにした作品を描くのはずいぶん久しぶりですね。

何十年単位のお久しぶりかもしれません。単に機会がなかっただけで、

もともと以前から好きなんですが…。

 

この「羽衣」、成田美名子さんの「花よりも花の如く」でも最初に描かれていたように

非常にポピュラーですし、馴染みやすくかつまたわかりやすい曲ですね。

学校の授業とか市民の入門講座などでもしばしば取り上げられる曲ですし。

 

羽衣天女というだけ、わかりやすいのかもしれませんが。

民話の羽衣のお話とは違って、天女は人間の妻にはなりません。

取り上げられた羽衣を返してくれれば、お礼に舞う、と言うんですね。

ですので、最後まであくまでも清らかで純粋無垢な乙女なんです。

人間のような悪賢さや狡さを持たないのも天人ゆえでしょうか。

 

 

 

昨年はお仕事の上でかなり天冠を描きましたが、今回もなんとなくその流れで描いてます(^^;)

おかげで構造を覚えてしまいましたので、細かいパーツのデザインが出来れば

いくつでもバリエーションが描けそうです。ただ、天冠をかぶるとどうしても

若干頭身が短く見えるような気がしないでもありませんが…。

やはり頭の上に視線が奪われるのかもしれませんね(^^;)

 

 

長絹の下に着ている唐織は、普通の着物よりもずっと豪華な織りだと思いますが、

私が描くとあんまり豪華に見えなくて申し訳ない限りです(ーー;)

「織り」の表現もなかなか難しいものですね。

 

今回、舞扇の模様と背景の鶴にはフリー素材集を利用しました。

 

 

 

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