ふと、花を手向ける少女を描いてみたくなりました。
この時代、高貴な身分の人はしかるべき場所に埋葬されたのでしょうが、
たとえば徴集されて地方から都に来て、ついに帰れずに亡くなった人とか、
あるいは旅の途中で病に倒れて亡くなったりとか、
そういう人は野辺に埋葬されることもあったのでは、と思うのですね。
この少女と眠る人とのあいだにどういういきさつがあったのか、
いくつも物語が生まれそうな気がします。
死者に花を手向ける、というのは人間の行為の中では
最も美しいもののひとつだと思います。
祈りの心とともに手向けられる花。
ネアンデルタール人の時代から、花を手向けることをしていた人間。
素朴で美しい想いがそこにはあります。
背景にまた和紙を使ってみました。
ほんのり暖かい雰囲気がでるといいのですが。
花と領布はそれぞれ別に描いて合成しました。
木漏れ日のレイヤーにオーバーレイを使ってみたら、
顔が明るすぎるくらいになってしまいましたが、
でもこれが一番しっくりきたのです。
古代日本Gallery