平安王朝Gallery

草ふかみ 浅茅まじりの沼水に ほたるとびかふ夏の夕暮れ みだれ行く 螢のひかりなさけ見えて 月におとらぬ夏の夕やみ 夏ごころも たもとすずしく風すぎて 螢みだるる夕闇のそら
蛟(みずち)
昼は鳴き 夜はもえてぞながらふる 螢も蝉もわが身なりけり 夏草の しげみのしたの沢みづ に かげも乱れてとぶほたるかな なくこゑの きこえぬもののかなしきは しのびに燃ゆるほたるなりけり ゆくほたる 草のたもとにつつめども なほかくれぬはおもひなりけり
蛟(アップ)

みずち(古訓は「みつち」)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

水と関係があるとみなされる竜類か伝説上の蛇類または水神の名前。

中国の竜である蛟竜〔こうりょう〕(蛟; コウ; jiāo)、

虬竜(虬/虯; キュウ; qiú)、螭竜(螭; チ; chī)、「蛟蝄(コウモウ)」などに

あてられた訓じ名(日本語名)が「みずち」である。

ただ「蛟」ひとつをとっても、有角である、いや無角であるなどと

描写が交錯して説かれるので、「みずち」はかくかくいう竜である、と

そう単純明快に定義することはできない。

本邦における「みずち」については、岡山県の高梁川に

ひそんでいたという有毒の「大虬」が県守(あがたもり)という

男に退治された記録が仁徳天皇紀にあり、

万葉歌の一種などの乏しい古例がある。

ミズチ(ミツチ)の「ミ」は水に通じ、

「チ」は「大蛇(おろち)」の「チ」と同源であるとされる。

「チ」は「霊」の意だとの見方もある。『広辞苑』でも

「水の霊」だと説いており、古例でもあげた「河の神」と

同様視する考察もある。

蛟(みずち)ー杏珠

この作品はちょっと変わったいきさつがあって生まれました。

詳しいことは描けませんが、いつもお邪魔するブログで、

管理人さんのラフを見た途端にそのイメージがなぜか

ずーっと頭から離れなくなってしまって、

さて困ったぞ、とかなり悩みました。著作権云々の問題ではなくて

眼には見えない世界とのおつきあいが鍵になるからですね。

 

で、管理人さんにお願いして、なんとか描いてもいい、という

許可をいただきました。それでもラフの通りに描くのはいけないなあ、と

思ったので、キャラクターも構図も私なりの解釈で描いております。

光源の位置を変えるのに、別の光源を作ったら、なぜか蛍になってしまい、

すっかり季節外れな絵になってしまったのはご愛嬌かも… (^_^;)

 

でも、念願どおりに描くことが出来て、気持ちがちょっとすっきりしました。

「なにかに動かされて描く」というようなこともあるんだなあ、と。

描いている最中はとても楽しかったです (^_^;)

貴重な体験をさせていただきました。

ブルーグリーンのメインカラーって私には珍しいかもしれませんねー。

でもこれしかないと思ったので、そのまま使ってしまいました。

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