平安王朝Gallery

昼は咲き 夜は恋ひ寝る合歓木(ねぶ)の花 君のみ見めや 戯奴(わけ)さへに見よ 我妹子が 形見の合歓木は花のみに 咲きてけだしく実にならじかも 我妹子を 聞き都賀野辺のしなひ合歓木 我れは忍びず間なくし思へば ーーー万葉集ーーー
象潟や 雨に西施が ねぶの花 (松尾芭蕉)
花守の歌
なかよく おやすみ ねむのはな

ネムノキ(合歓木、Albizia julibrissin)ーーーーーーーーーーーー

 

ネムノキ科(広い意味でマメ科)の落葉高木。別名、ネム、ネブ。

 

葉は2回偶数羽状複葉。花は頭状花序になり夏に咲く。

淡紅色のおしべが長く美しい。果実は細長く扁平な豆果。

 

イラン・インドから東南アジアを経て日本の東北地方北部まで自生する。

陽樹であり、荒れ地に最初に侵入するパイオニア的樹木である。

河原などで見ることも多い。また、観賞用に栽培もされることもある。

 

ネムノキ属は主として熱帯に150種ほどが分布するが、

その中でネムノキは飛び抜けて耐寒性が強く高緯度まで分布する。

温帯で広く栽培され、一部で野生化している。

 

和名のネム、ネブは、夜になると葉が閉じること(就眠運動)に由来する。

樹皮は、乾燥させると、合歓皮(ゴウカンヒ)という漢方薬となり、

腰痛や鎮静剤として用いられる。

観賞用の他に、街路樹としても使われることがある。

中国医学ではネムの花を生薬として用いる。

性は平、味は甘であり、精神安定や不眠解消の効果があるとされる。

 

また、漢語では合歓の他に、馬纓花、絨花樹、

合昏、夜合、鳥絨などの異名がある。

 

 

日本語の方言語彙には次のようなものがある。

 

* ねむたぎ、ねぶたぎ(眠た木):宮城県、山形県、福島県などの一部

* ねふりのき(眠りの木):京都府の一部

* ねむりこ(眠り子):大分県、宮崎県の一部

* はまくわー(浜小):沖縄県石垣島

 

夏の季語。

 

《花言葉》

胸のときめき・歓喜

 

 

Wikipediaより

 

 

 

さて、合歓の花です。

杏珠はなんだか勘違いして、子守歌でも歌うつもりのようですが、

この「合歓」という意味深な名前は夜になると葉が閉じて、抱きあうように見えるのが

共寝をしているように見えることからつけられたのだとか。

万葉以前の古代から愛された花ですが、これが描くのは結構大変でして…(^^;)

葉っぱも細かいですし、花そのものも極細ですからね〜。

非常に形が取りにくく、かつ手間も時間もかかる花でした。

花の部分はIllustratorのブレンドツールでパーツを描いて合成して変形しております。

苦肉の策ですね(^^;) 何重にも重ねないと目立ちませんし…。

でも可憐なこの花に注目した昔の人の感性もすごいですよね〜。

 

 

手にしているのは箜篌(くご)と呼ばれる中国製の楽器のミニサイズのものです。

古代のハープですね。本当は現代のハープくらいの大きさがあるそうですが、

コンパクトにしてみても形が可愛いなあ、と思ったり…(^^;)

ミニサイズでもそれなりに絵になる楽器だと思います。

 

 

装束の方はもえぎの匂い風五つ衣。夏らしく単を白にしてみました。

これもどことなく合歓の花の色を意識してるんですが、

はたしてそういうふうに見えますかどうか…。

 

 

 

 

今回はもう、完全な開き直りで、「描けるものを描こう」とういことで

平安風のものが続いております。まあ、自分ではこのパターンにいまだに

飽きていないからいいかあ…とか思いまして…(^^;)

今年はもしかしたら「杏珠の花ごよみ」のpart2が出来るかもしれませんね〜(^^;)

 

 

 

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