平安王朝Gallery

しづ心なく…
久方の ひかりのどけき春の日に しづ心なく花のちるらむ (紀 友則) 夢のうちも うつろふ花に風ふけば しづ心なき春のうたたね (式子内親王)
しづこころなく
いかにして しづ心なく散る花の のどけき春の色と見ゆらむ (定家) さらでだに しづ心なくちる花を あかずや風のなほさそふらん (性助親王) ひとりみて なぐさみぬべき花になど しづこころなく人をまつらん (北畠親房)

タイトルと同時に浮かんだイメージの作品です。

桜といっても平安の桜は山桜かなあ、という感じですね。

で、検索してみると「しづこころなく」の風情はやはり

桜に寄せる心情に一番近しいものらしく、それなりの数が見つかりました。

また、何度テーマにしても飽きないあたり、日本人にとっては特別な花なんですねえ…。

春めくとひときわ懐かしく思える花でもありますし。

 

 

今回、初めての試みで、風俗博物館にて復元された装束の写真から、

スポイトツールで色を拾う、という作業をしてみました。

写真とはいえ、その時の条件に左右されるので、

それで正しい色合いだという根拠もないんですが…。

でも普段イメージしている色合いよりも彩度、明度が高いものがほとんどで、

平安の色彩の鮮やかさに驚かされたりもしました。

でもこれでも拾った色よりも若干彩度と明度を落とし気味にしているのですが…。

それでもなお鮮やかな色彩の洪水です。

当時の女性が表で桜の下に立つことなど、ほとんどなかったでしょうが、

花も負けそうな色彩だったのかもしれません。

照明の乏しい室内ではカラフルな色合いが映えたんでしょうけどね。

そういう再発見も面白かったです。

 

ちなみに原画のサイズはA3ですので、これで正装だとすごい重い画像になりました(汗)

そのために人物も花も別に描いて、さらに別の背景に持ってくることになりました。

Photoshopのメモリはいくらっても足りないことが

ないかもしれない、と実感した作品でした(^^;)

 

 

 

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