平安王朝Gallery

宮 城 野
あはれいかに 草葉の露のこぼるらん 秋風立ちぬ 宮城野の原 宮城野の 本荒の小萩露を重み 風をまつごと 君をこそまて
宮城野
宮城野の 露吹きむすぶ風の音に 小萩がもとを 思ひこそやれ さまざまに 心ぞとまる宮城野の 花のいろいろ 虫のこゑごえ
宮城野を 思い出つつ植えにける 本荒の小萩 花咲きにけり

さほど和歌に詳しくない私でも、「萩」といえばすぐに「宮城野」と浮かぶほど、

古来より有名な歌枕です。なんでも昔の人がわざわざ宮城野の萩の花の実物を

都に持ち帰ると、それを見たさに非常にたくさんの人が集まったとか…。

そういうエピソードでもわかりますね。で、本当に直截なタイトルで

萩と言えば宮城野、ということになりました。

ただ描いてみたかっただけなんですが。

私も昔からこの地味な萩の花がかなり好きだったりします。

遠くの知人より送られてきた薬玉で、宮城野の萩の野に想いを馳せる姫君の図。

 

現代の宮城野萩は夏萩と言われるくらいに早くから咲く花らしいですが、

やはり萩と言うと秋にこそふさわしい気がします。

早くも秋の絵だったりするんですね。もう、夏は嫌いだし(-_-#)

 

 

大きな萩と小さな萩、それぞれに赤と白と2枚ずつの絵を描きました。

まあ、花の色を替えただけだったりしますけど…(笑)

大きな赤い萩の絵はスペースの関係で使えなくて残念でした。

すべてのパーツを別に描いてまとめるのって、案外難しく、

一度置いてみた背景はあまりに構図が散漫になりすぎてやりなおしのはめに。

空間恐怖症のきらいのある私が思いきった空間を残すのは勇気が必要ですが、

やはり空間を意義あるものにするのも必要なことだなあ、と。

成功しているかどうかはわかりませんが…(汗)

実は背景の一部、格子の部分などは以前の作品の使い回しだったりします。

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