平安王朝Gallery

移りにけりな
はなのいろはうつにりけりないたづらに わがみよにふるながめせしまに
移りにけりな
世の中のすべては 流れるもの うつろいゆくもの 人のこころも 運命も 生まれて消える泡沫の つかのまにきらめくいのち
確かに 在るものは いまここに いまこのときの 想いのみかと…

無常感と日本人の心情は相当昔から馴染んでいたものと思われます。

もしかしたら仏教が伝来する以前からあった感覚かもしれません。

うつろう四季の風情がその心情を育てていったものと考えられますが、その流れをむなしさと感じるか、

だからこそ大切なこの時と感じるか、人それぞれに感慨がありそうですね。

永遠に留めたい想いの記憶が多いほど、その人の生は幸せなものなのかもしれません。

 

この姫君の手にしているのは遠くからの心変わりを告げる手紙でしょうか。

それとも変わらぬ想いを綴ったものでしょうか。はじめはただそれだけの発想だったものが、

いつのまにかそういう漠然とした無常感に支配された画面になってしまいました。

どうやら私自身が気持ちの整理をしていたと思われますね(汗)

 

 

姫の装束は「楓紅葉」のかさね。背景にも使ってみました。

もっと派手になるかと思いきや、全体的に秋の風情で渋めの画面になりました。

菊の絵は実はフリー素材をアレンジして構成して使っております。

フリー素材には自分では思いもよらない色の使い方があって、時々はっとするものがありますね。

でも色も変えてしまうので、もとの作品とはすでに別物になってしまっておりますが(汗)

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