からくれなゐ -龍田姫-
からくれなゐ
龍田姫 手向くる神のあればこそ 秋の木(こ)の葉の幣(ぬさ)と散るらめ ---兼賢王(かねみのおおきみ)--- 神奈備の 山を過ぎゆく秋なれば 龍田川にぞ ぬさは手向くる ---清原深養父(きよはらのふかやぶ)---

「龍田姫」というタイトルの絵を以前にも描きましたが、

あの作品はわりとこじつけのタイトルだったんですね。

改めまして、今回は本当に秋の女神のつもりで描きました。

神様なので、お使いはカラスだったりします。とはいえ、根拠があるわけではなくて、

秋の夕暮れの空にはカラスが似合うなあ、という感覚です。

龍田姫の着物の柄がそのままに野山の紅葉になったり、

髪がそのまま龍田川になったり、

というちょっと幻想的な風景が描ければいいなあ、と思ったのですが。

別に平安のカテゴリじゃなくてもいいかなあ、とも思ったのですが、

歌の出典が古今集なので、やはり平安のイメージかなあ、と(笑)

平安時代の人々が想像する龍田姫像ですね。

 

今回の苦労はだいたい見当がつくと思いますが、髪でした。

途中で川になるのだから、黒髪のままではおかしい気がしてグラデーションに。

ちなみに線画は2枚あります。

そのうちの1枚が髪の下半分だけ抜き出した線画で、

これを作るのがかなりの手間でした。

でもその線画のレイヤーのおかげで髪の部分の線画を

グラデーションにすることが出来ましたけれど。

背景とカラスは別に描いたにも関わらず、

まとめて合成してからの作業の方が多かったので、

完成した画像は120MBを越える前代未聞の重さに…(汗)

でも自分ではわりと気に入った出来になりました。

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