四季彩Gallery

海原に 霞たなびき鶴が音の 悲しき宵は国辺(くにへ)し思ほゆ 家思ふ と寝(い)を寝ずをれば鶴が鳴く 蘆辺も見えず春の霞に ーーーーーーーーーーーー大伴家持
闇の夜に 鳴くなる鶴(たづ)の外(よそ)のみに 聞きつつかあらむ逢ふとはなしに ーーーーーーーーーーーーー笠郎女 千代(ちよ)よばふ 鶴(たづ)が音(ね)高し初春の 松の色なる大空にして ーーーーーーーーーーー千種有功
あらたまの朝
天飛ぶ 鳥も使ひぞ鶴(たづ)が音の 聞こえむ時は我が名問はさね ーーーーーーーーーーーー木梨軽皇子

タンチョウ(丹頂 Grus japonensis)ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ツル目ツル科の鳥類である。丹頂鶴(たんちょうづる)とも呼ばれる。

「丹」は「赤い」、「頂」は「頭頂部」の意。

アイヌはタンチョウをサルルンカムイ(湿原の神)と呼ぶ。

 

 

主に北海道東部の釧路湿原などに生息する。

大部分が留鳥であるが、一部は北方領土などで繁殖する。

江戸時代までは冬季に本州へ渡りをして越冬する

個体群があったが、現在では消滅している。

2008年、道北から秋田県男鹿市の隣の大潟村へ

飛行した個体が確認され話題となった。

 

日本以外では ユーラシア大陸東部に生息する。

夏季は中国東北部などで繁殖する(英語名 Manchurian Crane の由来)。

 

 

全長130-140cm、翼開長2.2-2.3m、

体重7-10kg(最大で15kgの記録がある)。

白い羽毛で覆われているが、側頭部から頚部にかけてと、

次列風切羽、三列風切羽は黒い。嘴と脚は黒っぽい褐色。

尾羽は、羽をたたんだとき三列風切羽が尾羽と重なるため

黒く見えるが、実際の尾羽は白い。

頭頂部は赤く、皮膚が裸出し(ニワトリのトサカと同じ)、

興奮するとやや大きく色鮮やかになる。

和名の由来は「丹(赤)い頭頂部」である。

 

ヒナは明るい褐色の綿毛に包まれている。

生後1年前後の幼鳥の羽毛は成鳥に似るが、

頭の部分が褐色で頭頂部の赤い裸出はない。

 

 

冬季は人里近くに群れをつくって過ごす。

春先にはジャンプ等の動作を組み合わせた

「求愛ダンス」「鶴のダンス」と呼ばれる行動を行う。

本種のつがいは一生解消されないため、

このダンスは互いの絆を確かめるために行うとする説もある。

3月になるとつがいは湿原に移り、枯れアシなどを用いて地面に巣をつくる。

各つがいは数平方キロメートルにもわたる

領域を縄張りとし、仲間を寄せ付けない。

 

食性は雑食で草の葉や種子、湿原に棲む昆虫類、魚類、カエル等を食べる。

 

 

 

 

Wikipediaより

 

 

鶴が描きたい、と思った時から、この作品はお正月用のものに決定してしまった感じですが…。

本来は父の葬儀の前後の慌ただしさで、ゆっくり創作にかかれなかったため、

リハビリのつもりで描き始めた作品だったんですけれどもね。

 

やはりなんといいますか、一度つがいとなると生涯相手を換えずに添い遂げるとか、

そういうあたりの愛情の深さに感応するような感じで描いてしまいました。

白い姿と共に、そういう習性が古来より神にふさわしいと愛されてきたのかもしれません。

ただ、万葉集あたりに見える「鶴(たづ)」がタンチョウとは限りませんし、

他の種類の鶴だと思った方がいいだろうな、とは考えているのですが。

 

 

今回の線画で唯一手描きなのは手前の大きな樹だけでして、他はIllustratorでちまちまと

描きました。しかも被衣の線画などは3つのパーツに分かれていたりします。

なにをどういうふうに描いたのかは仕上がってみるとわかりませんが、

そういうわけで線画だけでもそれなりに時間がかかったのは事実ですね。

でも手間ひまがかかっても描いている時はやっぱり楽しかったですが(^^;)

 

 

振袖の袖の部分にどういう感じで羽根の黒い部分を入れるのか?というのも悩みましたが。

いっそのこと全体にグラデをいれてもいいのかな、とも試したんですが、

なんだか納得出来ずにボツになりまして、羽根の模様を象徴的に描いてみることに…。

だから一見して黒い羽根だとはわからないかもしれませんが、モダンなイメージで

面白かもしれないなあ、と自分では思っております(^^;)

金魚のような、あるいは鶏のとさかのような赤いひらひらのおリボンもお気に入りです♪

 

 

この作品の原画(?)は実はB3という大きなサイズなんですよね。

だから大きなサイズの絵の方もいつもよりは若干大きめになっております。

それだけに重いです。すみませんが400KB近くあります(^^;)

それでも納得してもらえるような作品になっていればいいのですが…。

 

 

 

 

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