古代日本Gallery

秋野には 今こそ行かめもののふの 男女(をとこをみな)の花にほひ見に 秋の野に 露負へる萩を手折らずて あたら盛りを過ぐしてむとか 高圓の 秋野の上の朝霧に 妻呼ぶ壮鹿(をしか)出で立つらむか ますらをの 呼び立てませばさ牡鹿の 胸(むな)分けゆかむ秋野萩原 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー万葉集
花筐
いとかくや 袖はしをれし野辺に出でて 昔も秋の花は見しかど 夕されば 野辺の秋風身にしみて 鶉鳴くなり深草の里 野べ見れば近く去(い)ぬべき秋なれやちぐさの末も色さめぬなり 行く秋の 形見なるべき露だにも なほ置きとめぬ野べの秋かぜ

 

はながたみ 【花筐】ーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーー

 

謡曲。四番目物。世阿弥作。日本書紀などに取材。

越前国にいた大迹辺(おおあとべ)皇子(のちの継体天皇)は即位のため、

照日の前に形見の花筐を贈って上京する。

照日の前は物狂いとなって都へ行き、行幸の行列の前に出て天皇と再会する。

 

 

「花乃筐(かたみ)の名を留めて、戀しき人の手馴れし物を、

形見と名づけ初めし事、この時よりぞ、始まりける」

 

 

 

デジタル大辞林より

 

 

 

この作品のテーマは「秋野のうつろい」というか、そういう風なものが描きたかった筈なんですが、

「うつろい」という時間軸があるものをモチーフにするのは大変だ、ということに気付いたのは

実は描き始めてからのことでした… (ーー;)

 

結局、ごくごく無難な晩秋に近い秋野の風情を表現するに留めざるを得ませんでした。

なんだか悔しい気がします。そのせいでか、シンプルなわりにやたらと悩む時間が多くて、

結果的にむやみに時間を要した作品になってしまいました (ーー;)

 

 

万葉風というか、まあ、大陸文化の影響が強い時代のことですし、室内の灯火のようなものも

調べてもわからないものが多いので、それっぽくオリジナルでデザインしてしまったり…。

風景の枠のようなものも無国籍大陸風な感じになってますね。

まあ、たまにはこういうのもいいかなあ。

本当は置く形の照明の方が中心だったと思いますが。

 

 

 

最初、線画をコミスタで描き始めたんですが、どうにもしっくりと納得する線が描けませんで、

改めてIllustratorで描き直しました。花や小物の線画で練習できるかと思いきや、

それらはいままでに描きためたもののアレンジや、Illustratorでの方が飽きやすいものだったりで、

最後までコミスタの出番がありませんでした… (/_;)

もしかして私にはすぐに必要ないものだったのかもしれませんが、

使えないのも悔しいので、そのうち他の用途ででも再チャレンジしたいと思います。

 

 

そういうわけで、カゴとか枠のようなものも線画はIllustratorで描いています。

昔からカラーの場合は線のメリハリを消していたしなあ…。

私の絵にはこれでもいいのかもしれません。

Illustratorは単なる作図ソフトだという人もいますけどね〜 (^_^;)

 

 

 

まあ、とにかく眼に見えない苦労がやたら多かった作品。やっと完成してほっとしてます (^_^;)

サイズが大きい分、やたらと重いです。申し訳ありません m(_ _)m

 

 

 

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