平安王朝Gallery

紫の ひともと故にむさし野の 草はみながら哀れとぞ見る 紫の 色こき時はめもはるに 野なる草木ぞわかれざりける まだきから 思いこき色にそめむとや 若紫のねを尋ねけむ
むらさき夢幻
手に摘みて いつしかも見む紫の ねに通ひける野辺の若草 ーーーーーーーーーーー源氏物語・若紫
ミヤコワスレ(都忘れ)ーーーーーーーーーーーーーーーー 学名:Gymnaster savatieri。キク科ミヤマヨメナ属の植物。 別名:野春菊(ノシュンギク)、東菊(アズマギク)。 山野に自生するミヤマヨメナの日本産園芸品種として多く栽培され、 開花期は5〜6月頃で花色は紫青、青、白、ピンクなど多種に渡る。 和名の由来は、承久の乱にて佐渡に流された順徳天皇が この花を見ると都への思いを忘れられるとの話によるとされ、 この由来によって花言葉は「別れ」や「しばしの憩い」などといわれる。 いかにして 契りおきけむ白菊を 都忘れと名づくるも憂し Wikipediaより

そういえば、今年もまた「源氏物語」が映画化されたみたいね、ということで、

久しぶりに大人の女性が描きたくなりました。

別にはっきりしたイメージがあったわけではないのですが、

平安時代の女流文学の生まれる時を描いてみたいなあ…

というような気分で描き始めた作品です。

 

そうしますと何気にやはり紫式部のような感じになってしまったような…。

いや、別に他の女流のだれでもよかったんですが、

「むらさき」というと、どうしたって紫式部しかないでしょうしね (^_^;)

 

かつて多く詠まれた「むらさき」の名歌のイメージから、

ひとりの少女を、そして女性を生み出していく過程の想像の時…。

これって結構至福かもしれないなあ、と私個人が思っただけですが、

それゆえにか、なにげに穏やかで幸福そうな表情になってしまったようです。

 

 

平安の頃の「むらさき」がいかに特別な色彩であったのか、多くの歌からもわかりますね。

結局、なにをどう描いても「高貴」な印象は否めないようです。

絵にするのも難しいけれども楽しい色でもあります。

 

 

今回も解像度400dpi、B3サイズで描きましたので、360dpi、A2サイズでの出力が可能です。

大きくなることを想定すると、どうしても手が抜けなくなりますが、

やはり完成後の作品の、堂々とした存在感を想像すると手間ひまをかけるのも

苦にならなくなってしまうから不思議です (^_^;)

 

いずれまた何作かまとめて出力してもらおうかなあ、と考えてみたりして… (^_^;)

 

 

背景の屏風の牡丹の花は素材集から流用致しました。初めは花も描かないつもりでしたが、

なんだかどうしても物足りなくなったので、大殿油とどちらにするか悩んだ揚げ句、やはり

花を描いてしまった次第です (^_^;)しかも季節はずれの都忘れの花だったり…。

 

素朴な花の方がいいな、ということで。

 

このごろ花のパーツ分けが細かくなっていますが、

花心の部分は雄しべまでIllustratorで描いて着色、

その後にPhotoshopで着色した花びらと組み合わせました。

以前にもまして、このごろは両方のソフトを行き来することが多くなりました。

 

 

 

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