平安王朝Gallery

語 ら い
語らい
今上の女一の宮と聞こゆるはいときよらに清けき御様にものし給へば、帝后、 世に二つとなき宝の君とてかしづかせ給ひて、 例の里住みをばあひなきものと思し召して、 内裏(うち)にのみ住まわせて御手づから養ひ奉り給ひにければ、 世の人おしなべて、いと重りかにやむごとなき姫宮と心にくく思ひ聞こゆ。 主上(うへ)、政(まつりごと)の隙(ひま)々には、 后の宮を具し給ひて宮の御局に渡り給ふを、 常のこととせさせ給ふ。ある時、三輪の社より奉れる小百合の花を 后の宮のことに喜ばせ給ひて、やがてもろともに宮の御許に持たせ給ひにけり。 宮御覧じて「歌奉れ」と仰せられければ、御前なる女房、 さきくさの三つ葉四つ葉の殿なれば君が千歳の数と頼まむ また、 筑波嶺に知らえず咲きし姫百合の君が御蔭に隠れけるかな と書きて、小さく結びて奏してけり。 この女房、常陸国に縁(ゆかり)ありけるにや、高き際にはあらねど、 宮かしこくもその心ばせを愛でて親しき者に思ひ給ひければ、 かやうなる折にも側近きを許されけり。 この女も、宮をまたなき御主の君とてこよなく慕ひ仕へ奉りけるとこそ。 (この絵のリクエストをくださった琴音さんが歌物語を寄せてくださいました。 実はこういう設定があったのですね) 重いです(121KB)ごめんなさい。 リクエストというか、依頼をいただいてそれをもとに描いた作品です。 主上と后の宮、姫宮さま(プラス女房)の一家団欒、 談笑の場面、ということで。 それぞれの衣装についても詳しく教えていただいたのですが、 ただ模様とか色とかは必ずしも正確な考証ではないです。 (私が決めて描いたから(汗)) 模様などはいつも自分で作ったりしちゃうので。 サイズも大きいです。ほとんどB4サイズ。 したがって主上と后の宮、姫宮、女房と それぞれ別に描いてB4の背景の上で合成しました。 もっとも下書きは重ねて描いているので、合わなくなることはないのですが、 まああくまでもPCの中限定の作業ということで。 笹百合の花がお話のテーマのようですね。 衣装の色もあまりたくさん使うとまとまる自信がなかったので、 かなりセーブしました。 背景に関しても必要最小限しか描いていません。 本当はもっといろいろとあるんだよ~、とここでのみ記しておきます(笑) でも初めて描いたものもありましたので、楽しい作業でした。

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